豊橋競輪の開場73周年記念「ちぎり賞争奪戦(GⅢ)」は29日、12Rで決勝戦が行われ、脇本雄太(33=福井)が正攻法からの逃げ切りで和歌山記念に続き完全V。2着は古性優作、3着は坂井洋。2車単140円、3連単450円の大本命決着となった。
けん制から古性が押し出され、脇本―古性―坂井―久木原―片岡―岩津―池田―山口―小堺で周回。
赤板過ぎに山口が内から位置を一つ上げただけで他に動きは全くなし。意を決した脇本が打鐘前に誘導を下ろして先行態勢に入ると、一本棒のまま最終コーナーへ。最後は古性の追い込みを⅛輪差で振り切り11連勝。和歌山に続く13回目の記念Vを果たした。
「誰も切りに来なかったのは意外でした。でも突っ張り先行も考えにはあったので冷静に対処できた」
まれにみる単調なレースとなったが、正攻法からの逃げ切りというシンプルな勝ち方だからこそ、脇本の強さがいっそう際立った。そして盟友古性とのゴール勝負に持ち込み、近畿ワンツーという結果の方が、脇本にとっては重要だった。
「古性君とは最高にいい勝負ができた。正直、体にはかなりダメージがある。しっかりとケアして奈良記念に入りたい」
中2日の強行日程は織り込み済み。上積みは難しいが最低でも現状をキープして、連勝を伸ばす。
◇脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井県出身の33歳。94期。昨年のKEIRINグランプリ覇者。GⅠ優勝は7回。自転車競技では16年リオ五輪、21年の東京五輪に出場。1㍍80、73㌔。血液型A。
♦次走斡旋 優勝した脇本雄太、2着の古性優作は2月2~5日の奈良記念、3着の坂井洋は2月5~7日の松戸FⅠ。